●あの先生この先生の専門家コラム
第11回: 『予防が重要、一度発生するとなかなか治らない褥瘡』
西川 央江
■褥瘡とは
体の一定部位に長時間圧力が加わり、血液循環が悪くなるために、皮膚組織が酸素や栄養不足の状態になり「壊死」をおこすことである。好発部位は体圧がかかりやすい骨突出部位である。
■褥瘡の発生原因は
- 全身的要因として、自力で体位変換が不可能、低栄養状態(血液中のアルブミン値の低下)、やせ(皮下脂肪組織の減少)、加齢による抵抗力の低下、基礎疾患(心不全、糖尿病、動脈硬化症など)の悪化がある。
- 局所的要因として、皮脂減少による防御機能の低下、皮膚表面と接触する物との間での摩擦及び一方向に引くようにかかる体圧による皮膚と筋肉の間のズレ、これらによって生じる血管の閉塞、ねじれによる血行障害、失禁など湿潤した環境におかれた皮膚組織の浸軟状態、麻痺などによる皮膚知覚の低下がある。
- 社会的要因として、心の閉じこもり状態(うつ状態)、介護者の褥瘡予防についての知識不足である。
■褥瘡を予防するには
- 同一姿勢を長時間とらない。(重心の移動を行い、体圧を分散する。)
- 入浴などにより血液循環を良くし、皮膚を清潔に保つ。
- 皮膚の湿潤を避ける。(オムツや下着は汚れたらこまめに交換し、防水シートの使用は必要最小限にする。)
- 栄養状態を良くする。(良質のタンパク質、VC、鉄分、亜鉛を十分摂取する。)
- 外界へ心を開き、生活意欲、社会への関心を持つ。
■終わりに
褥瘡は難治性である、重度化すると敗血症をおこし死にいたる危険性もある。したがって、褥瘡は予防する、発生要因を多く持たれた方のケアはより丁寧な予防ケアを実施することを心がけたい。
■先生のプロフィール
西川 央江
■職歴:
- 大阪市立小児保健センター
- 大阪国税局診療所
- ソフィア福祉会バラホーム保育所
- 大阪薫英女子短期大学非常勤講師
- 羽衣学園短期大学講師
- 白鳳女子短期大学 総合人間学科 講師
- 大阪市立大学 医学部看護学科 小児看護学 特任講師
- 大阪総合療育センター
■学会活動:
■資格:
看護師