インフルエンザが猛威をふるう季節となりました。インフルエンザは普通の風邪と違って、全身症状や合併症が強く流行性が強い病気で、流行期には死亡数が増加します。インフルエンザはインフルエンザウィルスが唾液や痰の飛沫と共に鼻や咽頭気道に吸引され、その上皮細胞内で増殖して引き起こされる病気です。
このウィルスは、直径100mm程度の大きさで、表面に2種類の突起があり、ABC型に区別されます。そのうちA型B型は、毎年少しずつ型を変えて流行します。
A型は、1)多くの亜型がある、2)大変異し大流行を引き起こすこともある、3)B型より症状がきつい、4)人畜共通感染症であるのが特徴です。このウィルスは非常に潜伏期間が短く、1〜2日で症状が発現します。症状は38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等の強い全身症状に、喉痛、鼻汁、咳等、風邪のような症状が同時に見られます。通常1週間程で軽快しますが、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎等を併発し重症化することもあります。幼児では、特に脳炎脳症を併発し重篤な状態になることもあり、注意を要します。高齢者は、慢性的に基礎疾患を持っていたり免疫機能が低下しているので、肺炎合併のリスクが高いです。発熱が著明でなく、食欲不振や全身倦怠感程度の「肺炎らしくない肺炎」の場合も多く、痴呆等で症状を訴えられなかったり、自覚のない方もおられるので、食欲、機嫌、睡眠、活気等の観察が重要です。高齢者は罹患率は低いが死亡率は高いので注意が必要です。それ故、年齢を問わず予防が大切です。
予防の第1は予防接種を受けることです。特にリスクの高い高齢者や幼児にとっては重要で、今年度から高齢者は公費対象となりました。ただし、予防接種したから罹患しないということではなく、罹患しても、重症化を予防し健康被害を最小限にするためです。他に、1)気道からウィルスを吸入しますので、うがい・手洗い、2)乾燥に強いウィルスなので加湿、3)マスク、4)十分な栄養と休養、5)人ごみを避ける、等です。
予防しても罹患した場合、治療は、1)吸入薬や内服でのウィルスの増殖を防止する薬の服用。ただし感染後2日以内に使用することが望ましく「かかったかな」と思ったら即治療を受けてください。他は症状に対して対症的に治療します。私共のようなハイリスクの方の入所施設では、ウィルスを持ち込まないことが重要で、職員の予防接種や健康管理の徹底、職員や来訪者のうがい、手洗い、マスク着用の徹底、面会場所の検討等も必要であると考えます。
由井 直子
社会福祉法人 由寿会 理事長/管理医師〒578-0982 大阪府東大阪市吉田本町1-10-13
TEL:0729-60-6070 FAX:0729-60-6080
医師免許取得(登録年月日 昭和56年6月30日)
(免許証番号 262818号)
京都大学耳鼻咽喉科学教室入局
以後 大学病院、教室の関連病院勤務
枚岡病院耳鼻咽喉科を開設
耳鼻咽喉科医長
枚岡病院管理医師
社会福祉法人由寿会設立
理事長就任
特別養護老人ホーム
アーバンケア島の内 開設
アーバンケア島の内診療所開設
特別養護老人ホーム
アーバンケア稲田 開設
アーバンケア稲田診療所開設
