結核は1950年代まで年間50万人くらいの患者が発生し」、全国に蔓延していました。 その後抗生物質が入ってきて激減したのですが、いまでも欧米の3〜6倍の発生率で毎年4万人以上の患者が発生し、3000人近い死者を出している感染症です。さらに平成9年からは患者数が増加に転じ平成11年7月、厚生省は「結核緊急事態宣言」を発表し日本中に結核対策を呼びかけました。
様々な要因が考えられますが、高齢者、集団感染、都市部弱者、若者、糖尿病などがキーワードになります。日本中に結核が蔓延していた時代をすごした現代の高齢者は、大部分が当時結核に感染しましたが発病せずにすんだ人達です。つまり菌を肺の中に持っているのですが、免疫力で封じ込めてきたのです。それが年齢や糖尿病や免疫を抑える薬などによって免疫力が落ちてしまい発病するようになったのです。都市部の経済弱者もアルコール依存や低栄養などから免疫力低下をきたし発病するケースが目立ちます.最近の20代の若者世代は結核に感染する機会がないので、高齢者と同様集団発生がおこりやすくなっています。
感染は空中を浮遊する結核菌を吸い込んで起きます。感染後2ヶ月くらいでツベルクリン反応が陽転します。感染後一生に発病にいたるのは10%くらいといわれます。発病は咳などの症状や肺結核としてレントゲン写真に出ることですが、多くは感染後4から12ヶ月後になります。したがって排菌者と接したとわかってもあわててツベルクリン反応や胸部レントゲン写真を撮るのではなく、医師と相談し長期にわたり経過観察をしていくことが大事です。
M結核性髄膜炎を予防するために赤ちゃんは早めにBCG接種を受けましょう。高齢者は早期発見のために定期検診を受けましょう。糖尿病などの生活習慣病を予防しましょう。バランスのとれた食生活、十分な休養と睡眠、適度な運動をこころがけ、抵抗力を高めるようにしましょう。
岩田 勝
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