(3)菌の蔓延防止のために
いくら、家庭や施設で、MRSAによる実害起きないといっても、このMRSAが広く蔓延するのは好ましいことではありません。また、私たちの周りにはMRSA以外にも様々な病原体が存在するのですから、蔓延するのを防ぐ努力は必要なことです。そうした蔓延防止の方法というのは決して難しいものではありません。基本的な清潔行為を守ることで、様々な病原体の蔓延を防ぐことができます。この基本的な清潔行為というのは、一言で言うと『手洗い・うがい』のことになります。
MRSAの院内感染は、医師や看護師の手洗いが十分でないための、汚染された手指による接触感染です。MRSAをもった患者さんや、患者さんから菌が撒き散らされた床などが汚染源となり、それに触れたり、空中に舞い上がった菌を吸込んだりして人に移り、その人の手指を介して、次々と広がっていきます。

感染を防ぐためには、床をキレイに掃除(消毒)すると同時に、『手洗い・うがい』をきちんと行なうことが、簡単で効果的な方法です。 病院では、職員一人一人が「一医療行為一手洗い」に努めることで確実にMRSA検出患者数が減ります。 『手洗い・うがい』と聞くと、それだけで大丈夫なのだろうか、と不安になるかもしれませんが、きちんとした『手洗い・うがい』が感染を防ぐ最も確実な方法なのです。

手洗いは、石鹸を使ってしっかり30秒程度かけて洗います。石鹸は固形石鹸よりも、液体石鹸の方が衛生的です。流水で十分すすいだ後は、できれば使い捨てのペーパータオル、それが無理なら毎日変えた衛生的なタオルを用い、水気を完全に拭き取ります。その後、手指消毒用アルコールを噴霧し、ハンドクリームを擦り込むように、手全体に行き渡らせます。 体を拭いたり、床ずれの処置をしたりといった行為の前と後には必ず手洗いをしましょう。こまめに手を洗う習慣がつくとよいと思います。
