(3)結核のうつりかた

結核は、主にヒトからヒトへ飛沫感染し、その数%が発症するとされています。活動性で、はげしいセキやタンといっしょに結核菌を排出している結核(開放性結核)患者が感染源になります。例えば、私たちが普通に会話をしている時にも、肺の奥から目に見えないシブキが出ています。1回セキをすると、普通の会話時の5分間にあたる大量のシブキが放出されるといわれています。たまたまこの人が肺に結核の病巣を持っていた場合にはこのシブキの中に結核菌が含まれていて、これが近くにいる人に吸い込まれ感染を起こします。しかし、このシブキの中の結核菌は、早く吸い込まれないと日光の中の紫外線に殺されてしまいます。したがって、結核感染は検査で菌が痰の中に大量に証明される人が強い咳やシブキを撒き散らしたり、部屋の換気が悪かったりした場合に、例えば家族などそのすぐそばにいる人に対して感染する事が多くなります。
(4)免疫のしくみ
ある細菌に対して特別に守る力を免疫と呼んでいます。
ヒトにはさまざまな生体防御がそなわっており、肺まで届いた細菌などは、そこで肺胞マクロファージという食細胞に食菌され、殺菌されてしまいます。ところが、結核菌は、食べられても殺菌されないで、その中で増殖します。しかし、普通は細胞免疫が働いてマクロファージがパワーアップされ、この増殖を抑えこんでしまい、免疫ができます(感染免疫:ただし菌は生きつづけています)。大量の菌で感染を受けたり、細胞免疫が十分働かないと、さらに増殖を続け、病巣を広げ、肺結核症になります。
結核は、細胞性免疫が働く典型的な病気です。結核菌に一度感染した人(既感染者)やBCG接種を受けた人は免疫がついているので、菌を吸いこんでもめったに結核を発病しません。

(5)結核の再燃
感染免疫ができたあとも細々と生きつづけている結核菌が、しばらくしてから感染しているヒトの免疫の低下によって、再び増殖し発症するのが内因性の再燃です。現在日本で見られるほとんどの成人結核がこれにあたります。
再燃のきっかけとしては、過労や低栄養、高齢、塵肺、胃の切除や免疫抑制剤の投与、そして無理なダイエットなどがあげられます。特に年齢階級別の結核罹患率では、60歳以上の方の占める割合が増えてきています。従って、老人ホームなどでは入所時に排菌などの症状がなかった方でも、長い間の入所生活中に再燃することもあるので、定期検診は欠かせません。
