(6)ツベルクリン反応検査
結核菌から体を守る免疫の仕組みを利用して、結核に感染したかどうかを見分けることができます。結核菌のある成分(ツベルクリン)を注射すると、人体は結核菌が侵入したと思って敵対的なアレルギー反応を起こします。それを皮膚で起させたのがツベルクリン反応です。結核の感染を受けた人は、徐々に注射部分が赤く腫れ、しこりが触れるようになり、2〜3日目にそれらが最も強く出ます。日本では、注射後2日目に判定をしています。結核菌に感染したことのない人は、ほとんど反応がありません。またツベルクリン反応は結核に感染していても、またはBCG接種を受けても陽性になりますが、BCG接種をした人のツベルクリン反応は、本当に結核に感染した人に比べると、普通はやや弱く出ます。
(7)結核の治療
昔はよい薬がなかったので長期の入院が必要でしたが、現在は、抗生物質や化学療法により耐性菌が出ないための十数種類の有効な抗結核薬があるので、3〜4種類の薬を6〜9ヶ月服用することで、短期間に治すことができるようになりました。しかし、途中で薬を飲む事をやめてしまうと、多剤耐性菌ができてしまい、結核菌の進行をくいとめることができなくなることがあるため、設備の整った病院で専門医による治療が必要となります。大切なことは、結核と診断されたら最後まで薬を飲みつづけることです。
(8)介護時の予防について
服薬をはじめて2週間ほど経つと、症状は収まり菌の数がぐっと減ります。しかし、排菌している時はマスクを着用する。咳をしている時は、大きなハンカチなどで口を覆う。 (排菌患者は、入院治療が原則です)
排菌している患者と会話する時は、距離をとる。必要があればマスクを着用する。 咳などはげしい患者と接する時は、マスクとガウンを着用する。 介護などが終わった後は、うがい、石鹸を使用した手洗を行い、アルコール系の消毒剤などで手指を消毒する。
部屋の換気をよくし、窓などを開ける。他の部屋に空気が流れないように注意する。
(9)最近の問題点
栄養状態がよくなったことや、よく効く薬により、結核はこれまで順調に減り、治療も比較的容易になってきました。ところが、関心がやや薄れるとともに、最近では次のような新たな問題が発生しています。
(咳や痰が続いても、ただの風邪だと思って本人が放っておいたり、病院に行っても発見が遅れたりするケースが増えてきている)
(若さに任せてダイエットをしたり、偏食をして栄養状態が良くなかったりして起こります)
(学校、事業所などでの集団感染、病院や福祉施設での院内感染など)