(4)疥癬Q&A
疥癬にかかっている方の衣類等を洗濯しましたが、洗濯機も消毒しなければいけませんか?
消毒の必要はありません。洗濯も通常の方法で充分です。ヒゼンダニは人から離れると長くは生きられませんし、洗濯をすることで、衣類とともに洗濯機のダニも取り除かれると考えられます。お洗濯できないものはビニール袋に入れて口を縛り、数日間放置しておきます。
血圧計などを共有してもいいですか?
できれば専用にすることをおすすめします。ヒゼンダニは人から離れると長くは生きられませんが、使用後すぐに別の方が使用する場合、マンシェット(腕帯)を介して感染する可能性があリます。使用後は消毒をしましょう。
乾燥機はヒゼンダニの除去に有効ですか?
ヒゼンダニは熱に弱いので有効です。50℃10分程度で死滅します。布団などはまんべんなく日に当てて干しましょう。洗濯は疥癬の方の分は分けて行います。また、熱湯消毒も同じく有効です。
疥癬の方が入浴してもいいですか?
入浴の日時を考慮してください。例えば施設においては、入浴順序を最後にするなどの対応をおすすめします。硫黄入浴剤はやや有効ですが、入浴しすぎたり、浴槽に多く入れすぎると肌が荒れるので注意しましょう。また衣類から感染することのないよう、脱いだものは直接触れず、他のものと別にして洗濯します。
"かゆい""むずむずする"のですが疥癬でしょうか?
かゆみはいろんな原因で起こります。例えば合成繊維の肌着や靴下、ナイロンストッキング、セーターなどでもおこりますし、じゅうたんのダニや染料、食事、飲酒、内臓疾患、極端な例では心理的なものでもかゆみは起こります。かゆくてかいてしまうことで、かゆい⇒掻く⇒皮膚が破壊される⇒かゆいという悪循環に陥ってしまいます。他の皮膚疾患と判断してしまい、不適切な薬剤を使用することで症状を悪化させることもありますので、早めに医師に相談してください。疥癬に対しては一般的に感染拡大の恐怖感がありますし、実際に疥癬を経験された介護者・看護者の方は、対応の困難さに加え「自分が感染経路になったのでは」という精神的ストレスも多いそうです。むやみに恐怖感を抱くのではなく、毎日の衛生管理と専門家の正しい判断に基づき、根気よく治療する必要があります。
動物にも疥癬はありますか?
犬や猫、豚など、その種に限って寄生するダニはいます。それらのダニが一時的に人に寄生することもありますがごくまれです。最近は動物由来感染症の事例も増えているといわれます。ペットに触れた後は必ず手洗いをしましょう。
お部屋が汚いと、疥癬になるのでしょうか?
部屋が汚いから疥癬になるわけではありません。ヒゼンダニは人から人へ感染するものです。ただお部屋があまりに汚れていたり、食品などが放置されていた場合、カビや腐敗した食品からわくウジなどが心配です。定期的にお掃除しましょう。
お掃除の際に掃除機を使用することがありますが、疥癬の場合は、掃除機からの排気によって、落屑や虫体がお部屋の中にまきあげられてしまうので注意しましょう。
疥癬の方のケアをしました。自分がうつることももちろん、別の人にヒゼンダニを運んでしまうのではないかと心配です。対応策はありますか?
ケアの後は必ずていねいに手洗いをしましょう。ダニは人についてから数10分で皮膚にもぐるといわれていますから、感染源に触れた場合はすみやかに手洗いをしてください。また、ビニール手袋や専用の予防衣も使用しましょう。もちろんケアのたびに交換してください。
また、患者さんの使用した器具は洗浄、消毒をしましょう。
ケアする方以外にも、お見舞い客などの訪問者も直接患者さんに触れないようにしていただき、手洗いをしていただきましょう。
疥癬の方のお部屋は消毒しなければいけませんか?
お部屋全体の消毒は、ノルウェー疥癬の場合に必要になります。
一般的には、人体に対して毒性の低いピレスロイド系フェノトリン水性乳剤の希釈液などを噴霧するなどの対応がとられています。
治療薬にはどんなものがありますか?
このような薬剤が主に使用されます。
- 硫黄剤:軟膏や沐浴剤(お風呂のお湯に入れるもの)などがあります。過剰に用いるとかぶれたりすることがあり、また沐浴剤の使用では浴槽が黒ずむことがあります。
- 安息香酸ベンジル:ローションやエマルジョンとして使用されます。入浴後体を乾かして、首から下の全身に塗り、一定時間後再度塗ります。
- クロタミトン:殺ダニ剤として開発されましたが、そのかゆみ止め効果のほうが注目され、止痒剤として使用されます。首から下の全身に繰り返し塗ります。副腎皮質ホルモン入りのものもありますが、こちらは症状の悪化につながるので疥癬には使用しないようにします。
部屋の床はじゅうたんなのですが、疥癬の方がいた場合のお掃除方法を教えてください。
普通の疥癬の場合は、ヒゼンダニはじゅうたんの中では増殖しませんので、掃除機でていねいに除去してください。角化型疥癬の場合は「3.感染ルートとその対策」で述べたように、お部屋全体の殺虫剤の撒布が必要になります。
疥癬の方が使用された食器はどのように取扱ったらいいでしょうか?
通常どおりに洗浄していただければ大丈夫です。もしどうしてもご心配でしたら50度以上の熱湯に10分以上つけておかれたらなお安心でしょう。