HOME > 感染予防教室 > Q&A > 2006年1月のQ&A

感染予防教室

●Q&A

■Q&A バックナンバー

予防注射が有効な感染症はありますか。

上下水道の完備など生活環境が著しく改善されたことや、抗生物質の進歩により、感染症による死亡は著しく減少しています。また、絶滅したと思われている感染症もあります。同時に、海外旅行者や食品の輸出入の増加などによって、新たな感染症が広がるなど、著しい変化が起こっています。感染症のなかには、感染力が強く重篤な状態に陥りやすいエボラ出血熱、ペストといった危険性が高く、即入院し、他者から隔離することが伝染予防にとって最も重要な疾患や、性感染症やMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症のように、一定の条件下で感染するもの、また、SARS(重症急性呼吸器症候群)のような新たな感染症など、感染経路や症状の仕方も様々です。

感染予防は何といっても、感染者を増加させないこと、広範囲に感染者を広めないことが重要です。そこで、1999(平成11)年には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)が施行され、新たな感染症の部類とそれに応じた感染対策が規定されました。感染症の種類によって予防方法が異なりますが、予防接種が可能な感染症に対しては、2001(平成13)年には「予防接種法」が改正され、ジフテリア、百日ぜき、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹(はしか)、風疹、日本脳炎、破傷風および個人の発病と重症化を防止するためにインフルエンザの予防接種が規定されています。また、これらの予防接種は、従来は義務・強制接種でしたが、国民の努力義務とされました。また、予防接種が可能な疾患には結核がありますが、結核予防において、定期検診を受けることと、その結果ツベルクリン反応が陰性であったものに対して、定期の予防接種を行わなければならないことが規定されています(ただし、7歳、13歳の定期健康診断は廃止)。このように感染症対策は常に新たな世界情勢に従って年々変化していますので、新たな情報に関心をもっていることが、介護従事者として重要です。


*下記の書籍より転載いたしました。

著書名 : 訪問介護事業者のための感染症ハンドブック

監修・編集 : 鈴木幹三

出版社 : 中央法規