おむつ交換では尿や便に触れる可能性があります。通常(尿路感染症を発症していない人)は、尿には細菌は存在しませんから、感染することはありません。しかし、便には通常多数の大腸菌が存在しています。大腸菌は、大腸内にあるときはむしろ人間にとってよい働きをしてくれるのですが、いったん大腸の外に出ると感染症の原因となります。手の皮膚に異常がなく健康であれば、おむつ交換した人が感染症になることはありません。しかし、大腸菌がついた手であちこち接触した場合には大腸菌を伝播させることになりますので、注意しなければいけません。ただし、利用者がどのような病原菌をもっているかはわからないので、感染予防を心がけるにこしたことはありません。おむつ交換のときは基本的には手袋をするほうがよういでしょう。ただし、手袋をした手で利用者のお尻を触るのは失礼だという考え方もあります。細菌感染と利用者の気持ちのどちらを重視するかは考えなければなりませんが、やはり高齢者は免疫力が低下している方が多いので、感染症を予防するためには、手袋をすることを利用者に許していただきたいものです。 入浴介助では一般には感染症は起こりませんが、もし利用者が疥癬や黄色ブドウ球菌による皮膚感染症を発病していれば介護者が感染することもありえますので、状況によって判断が必要です。洗髪ではケジラミ感染が考えられますので、その可能性があるとき(利用者がかゆみを訴えているとき)は手袋を使用するほうがよういでしょう。
*下記の書籍より転載いたしました。
著書名 : 訪問介護事業者のための感染症ハンドブック
監修・編集 : 鈴木幹三
出版社 : 中央法規