「現場訪問コーナー」第12弾は、株式会社ウイズネットの運営するグループホームみんなの家「宮原」様(埼玉県さいたま市)を訪問しました。 1フロア5〜9人程度で、痴呆の症状がある利用者さんが介護職員とともに共同生活をする家庭的な「第二の住まい」です。"施設ではなく、あくまでも在宅の延長を…"という考えのもと、専務取締役の手塚澄子様にお話を伺いました。
手塚氏
株式会社ウイズネットは、1998年設立で、事業としてはとても新しい会社です。介護保険施行前から訪問介護事業や、通院介助等の活動を行なっていました。施行後は、訪問介護も行ないながら、痴呆の高齢者の行き場作りということで、グループホーム「みんなの家」を展開しています。 現在、関連会社を含め埼玉と東京で9ヶ所を開設、8ヶ所を建設中です。また、安心ハウス「すこや家」という高齢者の賃貸マンションを併設しており、複合型の施設を開設しております。

入居されている方は高齢の方で、介護認定を受けている方も受けていない方も利用は可能です。認定を受けている方は訪問介護を利用されたり、デイサービスを利用されたりしています。基本的には単身の方が対象ですが、広さを見て頂いてそれでもよければ、ご夫婦で入居される方もいます。今後については、40〜50の広めのマンションも設立予定です。
2002年5月に開設され、デイサービスと安心ハウス「すこや家」を併設している複合型になってます。各フロアー9名、3階建てで、定員は27名になります。 職員は20名(正社員15名、パート5名)で、やはり女性が多いですね。 職員の年代は20代から50代まで様々です。利用者の方がいろいろな年齢の方と接するというのも非常に大切ですし、職員の考え方も年代によって様々なので偏らないですよね。 今は福祉の学校が増えているので、若い方の就業が多いですが、グループホームは若い方だけではやはり成り立ちません。バランスのよい配置を心がけています。
グループホームの人員配置の基準で、職員1人に対して利用者は3人です。担当制は基本的に設けていませんがここ宮原では担当制をとっています。職員の目が常に届くようになっており、夜間は入居者9名に対して夜勤者1名がお世話する形です。
残念ながら、まだまだヘルパーさんが足りない状況ですね。もう少し、多くの方々に挑戦していただきたいですね。
食事の時間は決まっていますが、あとは基本的に自由です。その中に週1回の往診や口腔ケアが組み込まれています。型にはまったスケジュールがなく、利用者がご自身のリズムで生活できます。 家族の面会も外泊も自由ですので、できるだけご家族と接する時間を取って頂くようにお勧めしています。以前、お正月にご自宅に帰られた利用者さんがいらしたのですが、団地のお風呂が狭く入りづらいとのことで帰ってこられたケースがありました(笑)。
手塚氏
そう言って頂けるとうれしいですね。もともと在宅介護からスタートしているので、グループホームの中に在宅部分をどのように取り入れたらよいか、ということを常に考えてサービスを行なっています。利用者さんには自宅にいるような感覚でいて欲しいですね。

はい。月に1回近所のカラオケボックスに行っているホームもあれば、散歩に出た際に喫茶店にお茶を飲みに行っているホームもあります。実は8月末に温泉旅行に行ったホームがあるんです。私も参加致しましたが、とても楽しく過ごすことが出来ました。入り慣れない温泉に怖がっていた利用者さんもいましたけど。 あとは、地域のボランティアの方や子供さんが訪問してくれたり、月に1回『旨いものを食べる会』というのを開催しています。これは地域の方々も参加でき、ホームがより地域の方々にご理解頂ければ、と思っています。
本部としては最低限行なわなくてはならないこと、危機管理などは指導していますが、基本的には各ホームに任せています。うちはホーム長のアイデアが豊富で様々な意見が出ます。ある程度のルールは決めつつ、スタッフは見守りながらケアを行なうようにしています。
一番気を付けている点は、目配り、気配りのできる職員の確保です。痴呆の方と接するにあたっての接遇部分を大切にしています。接し方一つで利用者さんが不穏になってしまったりすることもあるんですよ。 その方の状態をさりげなく観察しながら、人生の先輩として接していく。例えば、オムツを汚してしまっても、さりげなく見なかったふりをするなど心配りを大切にしています。 職員さんには介護のスペシャリストである以前に社会人として通用するような介護者であるようお願いしています。開設前に3日間の研修を行なっていまして、通常一般企業で行なうような内容を取り入れています。
手塚氏
そうですね…。例えば『物がなくなってしまった』というケースが多々あるのですが、そういう時には『駄目よ』とか『ちょっと待って』とか否定するような言い方はしないようにしています。『一緒に探しましょう』などと、職員と利用者さんが何かを一緒に行なうことが大切だと考えています。
