(4)レジオネラ症
特別養護老人ホームやデイサービスセンターなど施設内の入浴施設では、循環式浴槽を使用している場合があり、この管理が悪いとレジオネラ症の感染源となります。高齢者の場合は死にいたる可能性もありますので注意が必要です。
【 レジオネラ症とは? 】
レジオネラ症とは、レジオネラ属菌により肺炎などの疾病を引き起こすことをいいます。レジオネラは環境中のどこにでも存在しますが、通常は問題となるほどの量ではありません。ところが、この菌がヒトの肺の中に入ると、白血球の中で増殖し、ときに肺炎(レジオネラ肺炎)を発症させます。2〜10日の潜伏期の後に発熱、全身倦怠、疲労感、頭痛、筋肉痛、咳などが始まります。高齢者のほかに、糖尿病患者や肝機能障害者もレジオネラ症に感染しやすいです。
【 感染源は? 】
循環式浴槽の濾過器の中や、ビルの空調施設の水の中など、アメーバなどが大量発生する場所で、レジオネラが増殖していきます。レジオネラは、アメーバに寄生し、その中で増殖していくのです。
循環式浴槽には、物理濾過方式(濾過装置内に粒経の異なる砂を幾層にも重ねて汚濁を吸着させ、定期的に逆洗して吸着物を排出する)と、生物浄化方式(セラミックボール、石英斑岩、活性炭、中空糸フィルターなどの多孔性ろ剤の表面および内部に、不特定多数の微生物を増殖させ、それらに汚濁物質を分解させる)とがあります。
このうち、生物浄化方式は汚濁物質を微生物が食べることで水をきれいにするシステムであるため、宿主であるアメーバが増殖しやすい環境となります。このような浴槽では、たとえ毎日水を交換しても、循環装置内の消毒がされなければ、レジオネラが増殖・定着していきます。この循環式浴槽水をシャワーに使用したりジェットバスのシステムにするなど、エアロゾル(細かい気泡)を発生させると、エアロゾルに含まれたレジオネラをヒトが肺に吸い込み、レジオネラ肺炎を引き起こします。
【 浴槽の管理方法は? 】
- 循環式浴槽では、気泡ジェットなどのエアロゾルを発生させる器具の使用は避けましょう。
- 循環式浴槽水を、シャワーや打たせ湯に使用するのはやめましょう。
- 普通浴槽は、毎日水を交換しましょう。
- 浴槽水を交換する場合には、浴槽の洗浄・消毒を実施しましょう。循環式浴槽の場合は、給湯管内や濾過器も洗浄・消毒しましょう。
- 塩素剤による浴槽水の消毒を実施する場合には、残留遊離塩素濃度を1日に2時間以上、0.2〜0.4mg/L(ppm)に保ちましょう。
