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●Dr.ヨコヤマの専門家コラム

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第18回:『”清潔・快適”な環境作りをサポートする抗菌製品 (食中毒や感染症の予防からみた役割)』
(1) 環境衛生管理や食品衛生管理を補完する一手段

1996年に腸管出血性大腸菌O157(以下「O157」と略記する。)による食中毒が(大阪府堺市など国内各地で)発生し、多数の感染者や死者が出ました。この教訓が生かされていないのか、今なお、国内各地の医療施設や保育施設、福祉介護施設などでO157による食中毒や感染性胃腸炎が相変わらず散発して、死者も出ています。

その一方で、鳥インフルエンザやSARSなどの新興感染症や国外から持ち込まれる動物由来感染症(人畜共通感染症)に対する脅威は(今も)消え去らず、これらの感染症が、いつ、国内で発生(流行)するのか、多くの人が心配しています。さらに、ここ数年、ノロウィルスや薬剤耐性を獲得したカンピロバクターやサルモネラなどによる食中毒や感染症の発生は増加の一途をたどり、その減少が一向に認められません。

このような感染症や食中毒の発生など健康リスクが多くなる状況を危惧して、これらの感染症などにかからないよう、自分が生活する場の衛生保持(清潔化)を図り、身の回りに病原菌やばい菌が出来るだけ存在しない、快適な環境で健康な日常生活を過ごそうとする、いわゆる清潔(衛生)・健康・快適志向を持った人達が増えています。そして、“清潔さ”と“快適さ”を求めて、生活環境の中で抗菌性化合物(無機系、有機系)が配合された抗菌剤(防かび剤など除菌・消臭クリーナーなど)や、抗菌性化合物で抗菌加工された製品(抗菌製品、抗菌グッズ)を使用しているのをよく見かけます。

私達の身の回りを見渡しても、衣服などの繊維製品や台所用品、歯ブラシ、トイレ用品、浴室用品などの日用家庭用品、家電製品(洗濯機、冷蔵庫、空気清浄機器、掃除機・クリーナーなど)に始まって、浄水器、筆記用具等の文房具類、住建材(壁材、クロス、タイルなど)、風呂、家具、畳・カーペットなどに、何らかの抗菌加工が施された製品が(家の内に)溢れかえっています。抗菌製品と気づかずに使用している場合も多くあります。

上記抗菌製品を利用する人の中には、家の中の環境衛生管理を(普段から)きちんと行っている“きれい好き”な人も多くいますが、その反対に、清掃や掃除などをまめに行わず、ただ病原菌や食中毒菌から逃れたい気持ちが先行し、“清潔さ”と“快適さ”を追求する中で、つい短絡的に抗菌製品に頼ってしまう、自称“きれい好き”の人もかなり見受けられます。恐らく、抗菌製品を気休めの程度に使っているだけで、これを使用して「絶対に食中毒や感染症にかからない」と思い込んでいる人は殆どいないだろうと思います。 抗菌製品は、公表された実験データを見る限り、一般の室内環境に存在する細菌類(芽胞菌を除く)やかび類に対して、ある程度の殺菌や静菌(増殖させない)の効果が期待でき、衛生化の一手段として役に立っているように見受けられます。

しかし、抗菌製品の効果は、その使用場所や使用期間、使用条件などでかなり異なり、常に一定の効果(効力の持続性)が得られるとは限らないようです。さらに、抗菌製品を使用する場で食中毒や感染症が発生する事例も多くあり、上記環境衛生管理や食品衛生管理が伴わないと、食中毒や感染症の発生を抑え、防ぐことが難しいようです。

抗菌製品は、あくまでも、日常の環境衛生管理や食品衛生管理を補完する一手段と考え、上手に活用したほうが無難です。

・・・次回、コラムその(2)「抗菌製品の有用性(役割)」に続く