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第13回:『家(住まい)の中で気になる臭いとその防臭(消臭)対策について』

最近の住宅は、開放型から密閉型の構造に変わり、帰宅した時など、部屋の中の臭気、「におい」が非常に気になることがあります。家の中の臭いは、トイレや台所、浴室、冷蔵庫、飼育している犬や猫、小鳥等のペット類や家屋の排水口部などいろいろな場所から多種多様に発生しています。これらの臭気だけでなく、風通しが悪い部屋や、換気が行われていない場所で発生する臭いも気になります。普段から使用されない部屋は、掃除が行き届かず、窓も閉めた状態で放置されるため、室内に異臭(かび臭など)がこもりやすくなります。これらの臭気は、その殆どが、細菌やかびなどの微生物が直接、間接的に関与して発生しています。

今年5月、東京であった日本防菌防黴学会(年次大会)の発表の中に、トイレの嫌な臭いは、人の皮膚に常在するスタフィロコッカスに属する細菌が、人尿を分解してアンモニア臭が発生しているという報告がありました。このように、家の中や人の皮膚、ペット類、ダニなどの害虫などに存在している細菌やかびなどの微生物が、嫌な臭いの発生に大きく関わっています。

その他、住宅の建材や壁紙・クロス剤から発生する臭いも問題になっています。建築資材等に含まれるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの低沸点の揮発性有機化学物質から発生しており、この臭いが原因で化学物質過敏症(シックハウス症候群やシックビル症候群など)になる人も出ています。

このように、住環境の変化で家の中の微生物や有機化学物質などが原因で発生する臭い(異臭や不快臭や悪臭など)を吸って気分が悪くなったり、体調を崩して、前記病気にかかって苦しむ人達が増えています。

このような臭気の発生は、お年寄りなどの高齢者がいる療養病棟がある医療施設や特別養護老人ホームなどの介護施設などでも問題になっています。この臭いの発生は、前記施設に入所する高齢者のし尿や汗などによるものが多く、入所者の着衣やおむつ、寝具・シーツ類、大便や尿の失禁などから発生しています。その他、入所者の体臭や口臭、施設内で行う消毒や殺虫、ネズミ駆除に使用した薬剤の臭い(化学物質臭)なども気にする人もいます。以上に記したいろいろな臭いが、施設内で一時的に発生したり、慢性的に漂って染みついたりして、療養・介護を行う場(室内環境)を不快にしています。

それだけに、人に不快を感じさせる臭気が発生しないよう、適切な対策を行って、嫌な臭いを防臭(消臭)する必要があります。不快臭の発生は、上記建材等に含まれる有機化学物質や、し尿などの有機物を微生物が分解して出来る硫黄(あるいは窒素)を含む有機化合物、アンモニア、酢酸などの化学物質が元になっています。消毒や殺虫などに使用する薬品類のにおいを嫌がる人もいます。これらの化学物質の臭いが単一、あるいは複数混ざり合って不快臭となっているため、その原因の究明(発生源の特定)や、その防臭(消臭)対策を一様に行うことが困難とされています。その臭いを完全に除去(消臭)することは、殆どの場合、不可能と言われ、そこに臭気対策の難しさがあります。

安易な気持ちで、家や施設の中で発生する全ての不快な臭いや体臭、口臭などを打ち消そうと市販の消毒剤や芳香剤、消臭剤、香水、洗口剤などを多用(乱用)しますと、嗅覚障害や接触皮膚炎、過敏症などの健康被害を被るおそれがあります。このような化学薬品類の使用に際しては、医師や歯科医師、薬剤師などの専門家に相談して、適切な芳香剤や消臭(脱臭)剤、洗口剤、洗浄・除菌剤、消毒剤を入手し、正しく使用して下さい。

そして、上記化学薬品類の使用など他力本願的な対策に頼るだけでなく、家(施設)の臭気対策として、自ら窓をこまめに開けたり、換気扇や空気清浄機などで室内の臭気を取り除き、嫌な臭いが室内に漂わないようにすることも大切です。その際、外の冷たい空気が体に触れたり、換気扇や空気清浄機の音、風量の強さを気にして体調を崩す人もいるので、室温の変化や騒音、風量に気をつける必要があります

さらに着衣類に染みついた臭いや体臭、口臭が気になる人は、その予防(改善)対策として、

  • 着衣やおむつ、寝具・シーツ類の洗濯をこまめに行う、必要に応じて80℃以上の熱湯に浸して消毒する。
  • 着衣やおむつ、シーツ類の交換は早めに行う。
  • 入浴回数を増加する。
  • 歯磨き(場合によっては舌苔を落とす舌磨きも行う)とうがい(洗口)を励行する。
  • 活性炭入りの吸着シートをシーツ類の下に敷いて臭いを取る。

などの対策をとることで、臭気の発生防止や消臭効果がかなり期待出来ます。

また、上記臭い対策の効果を一層上げるために、家(施設)の部屋など居住区域を常に清潔にして、60%前後の湿度に保つことも必要です。清掃(掃除)や換気を中心に、防湿・防かび対策や、ダニやねずみなどの殺虫・駆除、観賞魚やペット等の飼育管理などをきちんと行って、嫌な臭いの発生源(細菌やカビなどの微生物)を除去して、きれいな空気環境の下で、快適な生活を過ごすようにして下さい。