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第9回:『インフルエンザの予防対策(新型インフルエンザの到来に備えて)』

毎年、寒い時期になると、過労や睡眠不足などが原因となって体調を崩し、風邪やインフルエンザにかかる人が多く出ます。その殆どがウィルスによるもので、繁華街など人が多く集まる場所や満員電車などの中で、くしゃみや咳などで空気中に飛び散ったウィルスを吸い込んで感染、発症しています。風邪は、大抵の場合、軽い症状で治りますが、インフルエンザは、風邪に比べ、感染力が強く、その症状も重くなる傾向が多く見受けられます。高齢者や乳幼児など体の抵抗力が弱い人達が、インフルエンザにかかった時、対応を誤ると重症化して、細菌性肺炎や脳炎、脳症などを併発して死亡することがあります。

このインフルエンザの発生状況ですが、ここ数年、冬の時期にA香港(H3N2)型とAソ連(H1N1)型のインフルエンザウィルスによるインフルエンザが国内で発生、流行して、高齢者が利用する養護(介護)施設等で(毎年)死者が出ています。その間に、国外では、高病原性鳥インフルエンザウィルス(H5N1型)が登場し、中国や東南アジアなどの地域で、家禽(ニワトリなど)から人に感染して死者が出始め、その感染の拡大が危惧されています。このウィルスが鳥型から人型に変異して、人から人に容易に感染する新型のインフルエンザウィルスに変わった場合、このインフルエンザの予防に対応できるワクチンが用意されていないため、大流行を招いて多数の死者が出る恐れがあります。この新型インフルエンザの発生リスクがかつてないほど高まっており、わが国を含め、世界各国は世界保健機関(WHO)の勧告を受けて、大流行を防止すべく、非常態勢に入って警戒を強めています。

インフルエンザを引き起こすウィルスはA型、B型、C型の3種類があり、そのうち流行するのはA型とB型で、C型は殆ど流行しないと言われています。また、B型とC型のインフルエンザウィルスは人にしか認められませんが、A型のインフルエンザウィルスは、人以外の動物(主に鶏やアヒルなど鳥類)にも認められ、今、警戒されている鳥インフルエンザもA型で、亜型が異なります。人のA型ウィルスの亜型は、上記H1型とH3型のものが多く、H5型のウィルスは見つかっていません。

しかし、上記した理由で、鳥類に高い致死性を示すA型の高病原性鳥インフルエンザウィルス(H5N1型)も、鳥型から人型のウィルスに変わって、人から人に感染するウィルス(新型インフルエンザウィルス)となって(国の内外で)インフルエンザを大流行(蔓延)させ、多数の死者が発生するのではないかと心配されています。

国(厚労省)は、この新型インフルエンザが国内で流行した場合、最悪で人口の25%が感染し、約2,500万人が医療機関を受診し、約64万人が死亡すると予想しています。それだけに、この新型インフルエンザを含め、日頃からインフルエンザの発生(流行)に関する情報を入手して、その感染経路や症状及び対処法などを正確に知っておく必要があります。

  • インフルエンザが発生(流行)する前に、医療機関でワクチン接種を受けておく
  • インフルエンザの流行時は、人込みや外出を避け、外出時は暖かい服装をして、マスクを着用する
  • 外出から帰って来た時は、(ウィルスを除去するため)うがいと手洗いを行うこと

などが挙げられます。インフルエンザの発生(流行)時期は、室内外の気温が低く、空気も乾燥しやすく、喉の中が乾燥して、その防御機能が低下し、インフルエンザウィルスに感染しやすくなっています。前記1)〜3)の予防対策を行うことで、インフルエンザの感染や、他の人への感染拡大を防ぐことが可能になります。

また、38℃以上の高熱や悪寒、強い関節痛や筋肉痛などの症状が出て、インフルエンザに罹患したと思われる時は、出来るだけ早く、かかりつけ医や病院などの医療機関で診察を受け、通院(あるいは入院)して適切な治療を受けて下さい。現在、インフルエンザに有効な治療薬として、オセルタミビル(タミフル)などの抗インフルエンザウィルス薬があります。インフルエンザを単なる風邪と(自分で)判断して、医療機関に行かず、市販のかぜ薬で治そうとする人もいますが、これは非常に危険です。解熱薬の中に、アスピリンなどのサリチル酸系成分やメフエナム酸、ジクロフエナクナトリウムなどが配合されたものがあり、これらの成分がインフルエンザなどのウィルス性疾患の症状を重くし、生命を失う場合もあります。このような危険な事態が生じないよう、必ず、医師や薬剤師に相談して、問題のない、より安全な“くすり”を服用して早く治して下さい。また、通院して治療を受ける場合は、自宅で清潔な生活を心がけて、うがいや手洗いを励行して下さい。インフルエンザが治るまで消化のよいものを食べ、十分な休養をとり、水分補給を欠かさないようにして下さい。そして、室内の掃除や換気をまめに行い、室内が乾燥しないよう適度の温度や湿度に保ち、マスクを着用して、インフルエンザの症状が悪化しないよう、家族へ感染しないよう十分に注意して下さい。

いずれにせよ、インフルエンザが発生(流行)する時期は、先に記した予防接種をきちんと受け、日頃から栄養のバランスがとれた食事と十分な睡眠や休養をとって、運動も適度に行って、体力(免疫力)の低下を招かないよう、毎日の生活を健康に留意しながら、送ることが大切と思われます。日常の生活衛生や健康管理に心がけて感染症の予防に努め、インフルエンザなどの感染症にかからないよう十分に注意して下さい。