(2) 基本的事項 −お年寄りを食中毒や感染症から守るために−
高齢者がいる家庭では、家族全員が(お年寄りを中心に、お互いに)健康を気遣いながら、とりあえず、次に記す基本的な事項を守っていくことが重要と思います。
- 身体を常に清潔な状態にする、手洗いやうがい(洗口)、清拭を励行する
- 清掃(清拭を含む)や片づけ、整理・整頓をまめに行い、不用なものは廃棄する
- 衣類やタオル、寝具、カーペット・マット等の生活用品はまめに洗濯や日干しを行い、清潔に保つ
- 屋内(居室)の採光をよくして、換気を定期的に行う
- 食品類や食器・調理用品類はよく洗浄(あるいは消毒)する等食中毒や感染性胃腸炎等が起こらないよう、日常の食生活に注意する
- 食中毒や感染症にかかった人に接触したり、それらの病原菌に汚染、あるいはそのおそれがある汚物等不潔なものに触れる時は手袋を着用する、事後は必ず手指等の消毒を行う。排泄物や汚物類(使用したおむつや衛生用品等)の廃棄は、医師等専門家に相談し、その指示に従う
- 食中毒や感染症の媒体となる衛生動物(ネズミやゴキブリ、ダニ、ハエ、蚊等)が家の中に住み着かないよう注意し、見つけた時は出来るだけ早く駆除する
- ペット類(犬や猫、鳥等)との接触に気をつけ、その飼育環境は清潔に保つ、また野生化した動物(猫、犬)の屋内への侵入を防ぐ
- 屋内で観賞用の魚類や植物を飼育、栽培する時は、生け花を含め、その飼育(栽培)環境を清潔に保ち、使用する水もまめに交換して衛生保持を図る、飼育魚や栽培植物に病気等異常な兆候(症状)あるいはその疑いがあるものが見つかった時は、速やかに専門家に相談、指示を仰ぐ等して、焼却廃棄等の処分を行う
- レジオネラ属菌による感染症(肺炎等)を防止するため、浴槽や給湯設備は清掃(洗浄除菌)や消毒を行い、常に清潔な状態に保つ、使用する水は新しい水を用い、再使用しない、給湯器や給湯設備の性能(加温等)に関する保守点検を定期的に行い、レジオネラ属菌の汚染や繁殖を防ぐ
等が指摘できます。
当面、以上の点に注意しながら、家族全員がお互い衛生意識を高め、健康に気配りしながら、手洗いやうがい等の衛生慣行を守る。市販されている消毒薬や洗浄(除菌)剤、洗口液等を常備して、必要な時に、直ぐ使用できるようにしておくと便利です。そして、屋内のかびやアレルゲンの防止対策を含め、上記2)、7)から10)に記した屋内外の環境衛生管理(衛生化、清潔化)を行い、お年寄りを含め家族全員が安心して毎日の生活を楽しく過ごせるようにする。これは食中毒や感染症の予防(防止)にも大きく役立ちます。とくに季節の変わり目や、気温や湿度が異常に上下したり、30℃を越す蒸し暑い日々が続く時は、お年寄り等体が弱っている方にとって、体調も崩れやすく、食中毒や風邪、下痢症等の病気にかかりやすくなっています。つい油断して、お年寄りの体調等健康チェックや上記注意事項等を怠りますと、気がつかない内に風邪や肺炎、食中毒、感染性胃腸炎等にかかり、治療が遅れて死に至ることがあります。
このような事態が生じないよう、常日頃から信頼の出来るかかりつけ医(ホームドクター)や病院等医療施設、福祉(介護)施設と上手に付き合っておくことも大切です。医療や介護の専門家の検査や診断、指導を受けて、感染症や老年病等を早く発見し、適切な治療やリハビリテーション、介護等、その予防を含めて必要なサービスを受ける。このような予防から、お年寄りの方は(家族と共に)元気で、食中毒や感染症にかからず、健やかに生き長らえ、余生を楽しく過ごせるようになるのです。