HOME > 感染予防教室 > Dr.ヨコヤマの専門家コラム > 第79回:『風疹が局地的に流行、職場などで大人も感染、妊婦は注意! ワクチン接種で感染予防を!』

感染予防教室

●Dr.ヨコヤマの専門家コラム

アイコンバックナンバー

第79回:『風疹が局地的に流行、職場などで大人も感染、妊婦は注意! ワクチン接種で感染予防を!』

 10月に入りましたが、今季も国内各地でカンピロバクターや腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌などによる食中毒や感染性胃腸炎の集団感染が発生しています。8月には"ゾンネ菌(Shigella sonnei)"による細菌性赤痢の集団食中毒も発生しています。

 この他、結核や手足口病、RSウィルス感染症、溶連菌感染症、突発性発疹、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、流行性耳下腺炎、水痘(水ぼうそう)、風疹などの感染症が(国内各地で)発生し、発症患者が多く出ています。その中で、今季は風疹が局地的に流行し、9月に入っても職場や家庭で乳幼児や子供だけでなく、大人も感染しています。

 風疹について、国立感染症研究所から提供される情報(IDWR;感染症発生動向調査 週報)を見る限り、今季(第36週;9月14日集計分)までの発生報告数は313件で、定点把握対象疾患となった2008年以降、最多となっています。

風邪 風疹の発生報告数は、2008年が293件、2009年は147件、2010年は59件で、ここ数年減少傾向にありました。しかし、今年は8月中旬に2008年の報告数を既に超え、9月に入っても、その報告数が減少しません。その報告内容を見ても大人の発症患者が多く、その9割は20歳以上の男性で、その殆どが接種歴が無いか不明です。

 風疹は、毎年春先から初夏にかけて流行します。しかし、今季は上記したように9月に入っても局地的な流行が認められ、その集団感染が職場や学校などで発生し、成人(とくに男性)が多く発症しています。

 風疹(rubella)は、風疹ウィルスによって起きる急性の発疹性感染症で、感染(発症)者の飛沫(唾液のしぶき)などによって、人から人に感染します。感染しても、15~30%の人は発症しない不顕性感染で終わるようです。また、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)に比べ感染力は強くなく、一度感染すると免疫ができ、大部分の人は生涯風疹にかかることはありません。

 風疹の症状ですが、2~3週間の潜伏期間を経て、発疹(ピンク色)や発熱、リンパ節の腫れなどの症状が出ます。発疹は、通常3日程度で消失するため、風疹を"三日ばしか"とも称しています。

 風疹は、発症後3~4日の短期間で治癒する比較的軽い疾患で、一般的に大人の方が子供より症状が重く、発熱や発疹が(子供よりも)長く続き、39℃近い高熱が出たり、ひどい痛みを伴う関節炎になることがあります。それ以上に注意することは、免疫のない妊婦が風疹に感染した際に胎児に起こすおそれがある「先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome;CRS)」です。妊婦(とくに妊娠初期)が風疹に感染すると、胎児が風疹ウィルスに感染し、CRS(難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなど)の障害を持った赤ちゃんが産まれる恐れがあります。

 また、子供も風疹に感染後、まれに症状が進行して急性脳炎や髄膜炎になることもあり、子供や妊婦が上記重い疾患を発症しないよう、十分に気をつける必要があります。

注射 風疹の初期症状は風邪とよく似ているため、風疹に感染したことに気づかない場合が多く、発疹が出た時は、いち早く医師による診察と治療を受けたほうが無難です。

 風疹やCRSは、手洗いやうがい、マスク着用を励行・徹底するだけではウィルスの感染を防ぐことは困難です。より確実な感染予防法として、ワクチン接種を受けるしかありません。産褥早期の女性や将来妊娠を望む女性とその夫や同居家族などは、医師と相談してワクチン接種を受けることが望まれます。

 介護施設でも、風疹の発生(流行)時は施設内の感染(拡大)を防ぐため、ワクチン接種歴がない、接種したかどうか不明な成人(10代後半以上で、とくに男性)は、ワクチンによる予防接種を受けておくと安心です。国立感染症研究所感染症情報センターのホームページから得られる情報「風疹Q&A」や、厚労省から出されている通知「風疹対策の強化について(健感発第0909001号、平成16年9月9日)」を参考にしながら、職員や入所(通所)者の健康管理(健康チェック)をまめに行って、必要に応じてワクチンの接種を受けさせるなどして介護施設内で風疹の発生(集団感染)が起きないよう、十分に注意して下さい。

(2011.10.12)

サラヤ株式会社 お問い合わせ みんなの手洗いサイト て・て・て 手洗いのサラヤ