■異物混入について
【 はじめに 】
96年のO−157食中毒事件以来、食品の安全をめぐっては、食中毒事故、遺伝子組換え作物、BSE問題や食肉表示偽装事件、残留農薬などさまざまな問題が挙がっています。異物混入もその1つです。誰もが毎日口にする食品については、より高い安全性が求められています。
【 異物混入とは? 】
異物とは、「生産、貯蔵、流通の過程での不都合な環境や取り扱い方に伴って、食品中に侵入または迷入したあらゆる有形外来物をいう。ただし、高倍率の顕微鏡を用いなければ、その存在が確認できない程度の微細なものは対象としない。」と定義されています。(食品衛生検査指針(理化学編)1991)より)
食品の中に異物が混入するということは、人に健康危害を与えたり、また直接の危害はなくとも著しい不快感を及ぼします。喫食者は、不都合の有無にかかわらず、食品に本来入っていないと思われるものが入っていたとき、異物として認識する傾向にあります。
食品衛生法においても、異物が混入し人の健康が損なわれるおそれが生じた食品は販売してはならないとされています(第4条)。市販されている一般流通食品と同様に、福祉施設や病院などの給食においても、遵守しなければなりません。
【 食品に混入する異物 】
食品に混入する異物には、
- (ア)虫
- 例)メイガ、ハエ、ゴキブリ
- (イ)寄生虫
- 例)アニサキス
- (ウ)鉱物性異物
- 例)ガラス、石、金属
- (エ)動物性異物
- 例)人毛、獣毛、ネズミの糞
- (オ)その他の異物
- 例)合成樹脂類、木、絆創膏など
などがあります。
※国民生活センター調べ
宅配業者から宅配されたハンバーグを夕食のおかずとして食べていたら、ハンバーグの中に毛髪がめり込んでいるのを発見した。
コンビニエンスストアで購入した牛肉冷しゃぶを食べていたら、のどに詰まりそうになり、吐き出したところゴム手袋の指の部分のような異物を発見した。
【 混入ルート 】
混入ルートとしては、次のような物が考えられます。
- (ア)調理場内への不要な物品の持ちこみ
- 鉛筆などの筆記具、カッターなどを持ちこんでいませんか。
- (イ)老朽化した施設
- 天井から塗料が剥がれていたり、天井や壁にカビが生えていませんか。
- (ウ)洗浄時の汚染
- 洗浄中の飛沫からの汚染―床から60cmまでの高さは、汚染を受けやすいのです。
- (エ)昆虫の汚染
- 原材料に付着していたり、施設外から迷入したりということがあります。
- (オ)人からの汚染
- 不十分な手洗い・身だしなみによって食品が汚染されます。特に毛髪の混入は問題
- 毛には寿命があるので必ず毎日抜けるものである。(1日に数十〜数百本)
- 毛髪だけでなく、体にある全ての毛を対象に混入対策を行う必要がある。
- 毛髪の長い人が多く抜けるのではない。(男女に差はない)
【 混入対策 】
異物混入防止に関する3つのポイントを挙げます。
■落とさない
毛髪や作業着についた埃などを落とさない為、最低限、帽子や頭巾で頭部を覆い、調理場内に入る前にエアシャワーなどで除去する。
- 異物を食品に近づけないようにする。
- 指輪や腕時計などの装飾品は外し、ペンやカッターなどの事務用品を 持たないようにする 。
- 原材料のダンボールでの持ちこみは禁止する。
- 衛生害虫の駆除を行う。
- 発見できる環境づくりをする。
- 目視チェックをしよう。
- 清潔にしよう。
- 整理整頓をしよう。
【参考図書】
食品の異物混入防止対策−あなたの会社の危機管理は? (社団法人 日本食品衛生協会)